尾崎三吉著「ポートレートの写し方【その44】」(1939)

1939(昭和14)年9月にアルス社から出版された尾崎三吉著「ポートレートの写し方」より作品44です。「バスの終點で降りて南伊豆のある漁村へ入つてゆく途中だつた。あの邊の民家は土藏造りのがつしりしたのが多いのだが,たつた一軒この藁葺屋根ばかりは何故だか堂々とふんぞり返つてゐるやうに見えた。私の眼に強く印象づけられたのはそんな關係からだつたかも知れない。その強い印象はすぐ私の頭の中に構圖の一つとして浮き上るのだ。いつも,そんな風にして私の寫眞を助けてくれる何物かを摑むのである。」
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