堀野正雄著「女性美の寫し方【その92】」(1938)

1938(昭和13)年10月に新潮社から発行された「女性美の寫し方」(堀野正雄)より、図版92です。「『涼しい木蔭』を選んで撮影した作品である。レフレクターで、モデルを適當に照らしながら、畫面全體の調子を整へた。この作品もまた、出來るだけ明るいレンズを使用して、蔭の部分を表はすやうに心掛けねばならぬものの一つである。手染めの浴衣を着た女の美しさは、夏の風物詩の一篇である。けれども、この寫眞は、冬の最中、二月の寒さの中に震へながらスナップしたのである。こゝにも亦、カメラの眞實性を考へる爲めの、一つの問題が藏されてゐる。」
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