吉屋信子著「櫻貝」(1935)

1935(昭和10)年に實業之日本社より初版が出版された吉屋信子著「桜貝」の表紙です。ただこの書影は1941(昭和16)年刊の第44版です。「櫻貝」は1931(昭和6)年に雑誌「少女之友」に中原淳一さんの挿絵で連載された物でした。吉屋信子(1896-1973)さんは栃木高等女学校在学中から少女雑誌や文学雑誌に投稿を始め、卒業後は小学校の代用教員をしていましたが、作家を夢見て上京、1916(大正5)年に雑誌「少女画報」にて「花物語」を発表し、一躍人気作家となりました。独特の美文調と当時の少女の心をとらえたストーリーで少女小説の興隆と後の少女漫画への流れを作り上げました。戦後は長編時代小説で文学界に認められる作家としての地位を確立しました。
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