雑誌記事「母子保護と國民健康保險」(1937)

母子保護と国民健康保険1937may

 1937(昭和12)年5月発行の「主婦之友」五月號(主婦の友社刊)内の記事より「大衆論壇・母子保護と國民健康保險」です。著者は貴族院議員の下村海南博士です。海南は和歌の号です。本名、下村宏(1875-1957)さんは和歌山県出身、和歌山一中、一高から東京帝國大學卒業後、逓信省に入省、台湾総督府を経て朝日新聞社の重役となります。その後1937(昭和12)年に貴族院議員に勅選され、1945(昭和20)年の終戦直前には内閣情報局総裁として終戦工作に奔走しました。この記事は記者の対談形式で衆議院で可決された母子保護法と健康保険法に付いて説明しています。今国会で審議されている予算案について、対談者は大増税と公債乱発を国防費とからめて皮肉ろうとしますが「オット皆まで言ひ給ふな」と濁しています。その中で喜ばしいこととして紹介されていたこの法律ですが、この第70回帝國議会は所謂「腹切り問答」で廣田内閣が総辞職してしまった関係で閉会してしまい、この法案は貴族院未決のまま繰り延べになってしまいました。しかしながら母子保護法は1937(昭和12)年中に、國民健康保險法は1938(昭和13)年から施行されたので、無事次の議会で可決されたようです。
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